スタッフコラム
梅津泰臣監督
スペシャルインタビュー
「ガリレイドンナ」のアニメーション企画が生まれた経緯やスタッフについてなど、梅津監督に語っていただきました!
日常を飛び出した、スケールの大きな作品を作りたいと思ったんです。登場人物たちが陰謀に巻き込まれたり、世界中を飛び回って様々な経験をする冒険物語をイメージしています。
宇宙関係の本を読むと、天文学に大きな業績を残したガリレオの話が必ず出てきますよね。他にも、例えば月に関する本を読むと、ガリレオが望遠鏡で月を見て6枚のスケッチを残したというエピソードなどが載っているんです。そのうちにこれらのノンフィクション要素と、先ほどの冒険の話を組み合わせて、ひとつの物語が作れるんじゃないかなと思ったんですよ。昔の偉人が残した遺物の話って、色々と想像力を刺激されますから。そこで、ガリレオについてのメジャーなものからマイナーなものまで色々な逸話をフィクションに盛り込んで、物語を作っていきました。
僕はむさい男たちの中に、華となる女の子主人公がひとりいるというテイストが好きで、今までそういう話ばかり作ってきたんですが、今回は女の子がたくさん出る作品をやろうと思いまして(笑)。そこで「もしガリレオの子孫がいたら、偉大な祖先のことをどう思っているだろう」などと考えて、それぞれ性格が異なる三姉妹のキャラクターを作っていきました。また日本との接点も作りたくて、三姉妹には日本人の血が入っている設定にしています。
もともと自分はアニメーターなので、監督をするときはキャラクターデザインも同時にやっていたんですけど、「誰かと組んで作品を作ることで、面白い化学反応を引き出す」ということも経験したかったんです。そこで、非常に魅力的な女の子の絵を描く、足立君にお願いすることにしました。足立君にとっては初めての、原作がないオリジナル作品のキャラクターデザインですから、今までに見えなかった彼の絵の魅力を引き出したいと思っています。僕の作品で彼の人気を落とすわけにはいかないですからね(笑)。
「最近は、突飛なメカに乗って冒険するようなアニメがないなあ」と思っていたし、自分も作った経験がないので、今回は「メカも出る冒険ものにしよう」と思ったんです。そこで、以前別の企画でご一緒したNiθさんのセンスがとても好きだったので、お願いすることにしました。彼独特のカラーリングやデザインセンスが表れた、親しみやすくユニークなデザインのメカができあがったと思います。
今までの僕の作品を見ていた方は驚かれるかもしれない、ノイタミナ枠にとっても異質な、一風変わった物語になっています。オリジナル作品ならではの先の読めない展開を、わくわくドキドキしながら登場人物たちと一緒に味わってください。